世界を制する

もう 30年も前のことになります
私が20代半ばの頃です
1人の女の子をあずかりました

ずいぶん前のことなんで少し具体的に・・・
中学生の女の子でした
おっきな目で、しっかりした 姿勢の良い
世界体操で、個人・団体・総合で優勝した
体操の世界チャンピオンでした

なぜ、テニスに?
次のモスクワオリンピック(たぶん)が
何かの都合で無くなり
その次となると
年齢的にも 精神的にも チャレンジできなくなったようです
当然ですね
オリンピックの金メダルを目指して練習を積んで
世界体操を制覇し
いよいよという時に

大きな精神的ダメージを受けて私のところに来たんですね
ある学校の先生からの依頼でした

千裕チャンです!
NHKが彼女の特集を組んだ放送のビデオがあると お母さんから聞き
私は見せてくださいと頼み 見ました

練習風景です
鉄棒に何度も何度も飛びついて
繰り返し練習しています
途中、彼女の手のひらを映し出しました
皮膚が破れ 血が出ています
クルクル回る鉄棒競技で
手があのようになることは充分考えられます
しかし その状態で何度も練習を繰り返すことは 凄い!

確かに私たちも手の肉刺(まめ)や足の裏の肉刺が潰れても
練習を止めることはありませんでした
そのまま続けたもんです
そんなことをしている間に 潰れない肉刺になっていくわけです・・・

彼女は、世界レベルの選手
当然 手のひらは その状態にあるはず・・・
それでも 血が出てる
ほとんど無表情で飛びつく彼女
反復練習の凄まじさを「ゾクッ」と感じました

千裕は、テニスでは勝ち進むことができませんでした
体操独特の動きがテニスのフットワークには馴染まなかったように思います
身体が柔らかく見えますが
関節の稼動域は大きいのですが テニスに要求される柔らかさとは違っていました
でも、諦めることなく 練習に励んでくれました
今の私なら テニスの世界でも彼女を一流にできたかもしれません
あの頃はテニスをあらゆる角度から見ることができませんでした
コーチングは年齢的な経験も不可欠ですね。。。

トップアスリートにしては
あまりにもあどけない千裕でした
目指すものが世界中の最後の1人である場合
練習だけでなく
あらゆる厳しさを背負って闘っていくんやな と とても勉強になりました
あの若さで 新しいものに目を向けようとした千裕

私の周りにいる選手たちの
日々の言動を具体的にお話するのは恥ずかしいので伏せておきますが・・・

逆境から起ち上がる強い力
逆境で闘う強い意志を持っていない選手には
高い目標を掲げることは無理ですね
言葉にもしないでほしいですね・・・

何か彼女のことを思い出しました
私も頑張らないと・・・・・・!
健康体である限り
若さを忘れては情けないですもんね。。。

『夢は大きく 歩みは小さく』
まだまだ、大きな夢を持って、苦労しながらコツコツ頑張ります!